立体カービング切り出しの薔薇を軽くする3つのポイント
目次
アレンジする時、彫った薔薇が倒れます!
お教室のお隣のお宅の梅のお花がすっかりおわりました。日もどんどん伸びています。
そういえばもうすぐ春分の日ですものね。
春なんだな、と実感している
カービングプラスの記志江(きしえ)です。
さて、
『切りだしの薔薇を彫ってアレンジするときに薔薇が重くて倒れてしまいます。』
というご相談がありました。
薔薇はアレンジの基本としていて、
切り出しの薔薇(立体の薔薇)が彫れれば、アレンジを楽しむことができます。
立体カービングフラワーは彫り方によって
お花の重さがかなり違います。
切り出しの薔薇はたくさんの人が彫ることができるので、その違いも分かりやすいと思います。
形も花びらの厚さも、段のつけ方、表情の出し方、全く違います。
同じサイズを指定しても、お花の重さもかなり違います。
カービングプラスでは、薔薇の花の茎を長くしてアレンジすることが多いので、
できるだけ軽く彫れると、扱いやすいしリアルな感じのお花になります。
石鹸として使うのでしたら、
あまり削らずに、重いお花でも構いませんが、
飾りとして使うのでしたらできるだけ本物に近い感じに仕上げたいと思いませんか?
なぜ人によって切り出しのお花が重くなるのでしょうか。
切り出しの薔薇を彫ることに絞ってそのポイントを解説します。
花びらを深く彫る
石鹸の表面に模様を彫る、レリーフ彫りと立体カービングフラワーの一番の彫り方の差は深さです。
考え方、ナイフの使い方は同じですが、
深く彫るか浅く彫るか、
ということで彫り方が変わります。
ソープカービングとフルーツカービングで、素材に合わせる事やフルーツの大きさに合わせることで彫り方が変わってくるのと同じ事です。
カービングプラスのお教室内で、
実際に立体カービングしか習っていないと、彫り方がどんどん深くなっていき、
石鹸の表面に掘るレリーフ彫りを彫ろうと思うと、
思うように彫れなくなっていることがとても多いです。
これは全部同じように彫ってしまうからです。
深くも浅くも彫る事ができるようになることが
カービングスキルの向上になります。
ソープカービングのレリーフ彫りやフルーツカービングでも
浅くしたり深くしたり
その模様似合わせてナイフの深さは変わっています。
ナイフの角度だけでなく、深さも意識して彫ってみてください。
深く彫ることができ、浅くも彫ることができる、
ということが理想的ですが、
時間も限られた中で両方を習得することは大変です。
立体カービングのカリキュラムを終了された方が必ず『浅く彫れない!!』とおっしゃいますし、
その気持もよくわかります。
ということは、
立体カービングに慣れていない方はたいてい浅く彫っています。
薔薇の花を浅く彫れば、
石鹸のカットされる場所が少なくなり、
重いお花になります。
簡単にいうと深いか浅いか、はナイフを入れる角度の影響が大きいです。
花びらを薄くする
花びらの厚さも関係します。
厚い花びらになると
花弁の段数にかかわらず、重さのあるお花に繋がります。
これは今までもブログに何度も書いていますが、
角度が問題になること多いです。
そしてもう1つ、
じつは花弁を深く彫ることにもつながっています。
ソープカービングは
すべて薄い花弁にすると石鹸なのですぐに折れたり欠けたりします。
薄く見せるためには根本は厚く、
見えるところは薄く彫るが理想的です。
花弁を深く彫るということは
薄く彫らないと全体に厚い花弁に見えてしまいます。
薄く見せるためにはかなりの深さがあり、花びらの端は薄くなります。
花びらの間を離す
彫ったお花が重くなる最後のポイントは花弁の間の距離です。
花弁の枚数を減らせば、石鹸の花になるときに軽くなります。
よく『薔薇の花芯の外側の花弁は何段ですか?』と言う質問がありますが
私の彫りかたですと、たくさん彫っているように見えて、大抵3段程度です。
重ね方や表情の付け方で何段もあるように見えますが、
花弁一枚一枚の間がとても離れています。
そうすることで軽くしています。
花弁の段数が多いお花もたくさんあります。
その場合は、できるだけ深く、薄くもしますが重くなることが多いです。
花弁の間が狭いと深く彫ることが難しくなるからです。
このあたりは貴方の好みや彫りたいお花の雰囲気によって変わってきます。
お花を軽く彫る、ポイントはおわかりいただけましたか?
ご質問の回答です
さて, はじめの質問に戻ります
『切りだしの薔薇を彫ってアレンジするときに薔薇が重くて倒れてしまいます。』
答えは、①切り出しの薔薇を彫る時になるべく軽くなるように彫る事、
それから②アレンジを倒れないように工夫する事、の2つです。
アレンジの仕方にもよりますが、
重いお花でも、茎を長く使わなければ問題ありません。
花器に近いところで茎を短めにアレンジすることが多いと思いますので、
彫った花の重さは問題ないと思います。何輪も使う場合は重さのバランスを考えましょう。
カービングプラスでは、茎を長く使う方法も立体カービングの薔薇コースの中のカリキュラムにはいっていますので、
彫ったお花を軽くしたいと思うかもしれません。
長い茎を使ったアレンジの作品は、例えば展示会での生徒さまの合同作品ですね。
一人ではこれだけの作品を作るのはとても難しいのですが、生徒さま皆様に協力していただくとこのような大きいアレンジになります。
作品展の時は長い茎のまま薔薇の作品をお預かりしますので、重さがあると使う場所が限定されてしまいます。
それも、作品展の時のアレンジは、おおよそのイメージだけしか決まっていないことが多く、生徒さまの作品が集まってから、その本数をみてアレンジを考え直すこともあります。
ですから参加された皆様は本当に上手に薔薇のお花を彫ってきますよ。
立体カービングの飾り方の方法のブログにも書きましたが、お花を倒さないように工夫する、方法もあります。
飾り方のブログは>>こちら
ですが、いろいろなアレンジの仕方に対応できる彫り方を、工夫できるスキルを身につける①の答えがおすすめです。
①によって更にアレンジの幅が増えますのでおすすめです。
立体の薔薇を半年でマスターできるコースがスタートしました
立体の薔薇を半年で彫れるようになる、【薔薇速習コース】が始まりました。
この写真は昨年末に行われた作品展の生徒さまの作品です。
カービングナイフを持ったことのない方が、
半年後にはこのような薔薇が彫れます。
バラだけに特化したコース
カービングプラスでは、
全く初めての方がたった半年で
バラのアレンジを2種類作れるコースをご用意しています。
カービング業界では
画期的なコースです。
習った事を人にそのまま
おしえてもいいという内容です。
石けんの表面に4回目のレッスンで
バラを彫れるようになります。
一般的には10回、
もしくはそれ以上習わないと
バラのカリキュラムに行きません。
詳しくはこちらをご覧ください。