後悔から気づいた「伝える力の本質」と人生の学び

たった1回の発言が、その人の人生を変えることがある。

人をまとめるお仕事をしている人はもちろん、大勢の人の前で話す機会って、みんな、人生で何回かあるよね。


そんな時、自分が話したことで
人が感動してくれたり、
気持ちが揺れるような一言を言えると

そこにいた人達からの信頼も増すし、
聞いてくれた人たちとのつながりも強くなる。

もしかすると、聞いてくれた人のなかに
人生をかえるような
一言がはいっているかもしれません。

けれど、そんな大切なことを、
私はずっと軽く見ていたのです。


人ともっと本質的にかかわりたいと思っているのにそれができなかった。

今日は、人とのかかわりを
深く考えていなかった自分に
ある出来事を通して気づかされた、
大切なことについてお話したいと思います

調理師専門学校での講師デビュー

教室歴と発信

昨年度から調理師専門学校で
カービングの講座をすることになりました。

学校側は調理師育成の
どんなジャンルにも
対応できる力を育てる一環として
カービングの授業も導入されています。

インスタグラムやYouTube等のSNS、などで
顔がみえない大勢の前で発信する活動を
たくさんやってきたし

専門学校で教えることは
場所が変わるだけだと思い
何の抵抗もありませんでした。

それなのに専門学校の最後の授業で
とても落ち込む出来事があったんです。

調理師専門学校での授業

専門学校のカービング講師を
ご紹介してくださった先生はお一人でしたが、
たまたま手を挙げたのは、
私と、タイに住んでいたときから
仲良くさせていただいている
籠島先生の二人でした。

1年間のカリキュラムと、担当する日を決めて
教室レッスンと同じ様に
それぞれ一人で講座を受け持つことになりました。

生徒たちの様子をみると
どの授業も課題やテストで忙しそうです。
調理師として羽ばたくために、
みな、きちんと学んでいます。

カービングは指先を使うし、
他にはない技術なので、
身につけると調理師としても応用できる
スキルの一つ。

専門学校の授業は、
少人数で行う普段の教室レッスンと違い
一度に多人数に、理解してもらうには
どうすればいいのか、改善をしてきました。
私にとっても新しい挑戦でした。

生徒は、Z世代の若い生徒さんたちです。
飲み込が早く、吸収する力も素晴らしい。

年に数回のレッスンなのに、
生徒はみるみる上達していきます。
生徒によって深度はそれぞれですが、
スキル面ではうまくお伝えできました。

そして、最後の授業になりました。

発表会に向けての最後の授業

最後の授業は発表会に出す作品を彫る、
卒業制作の準備にあてるとのことでした。
午前、午後と2日に渡り
生徒たちがたくさんの野菜を彫ります。

この日に限り、私と籠島先生が二人体制で、
アドバイスしながら
1日カービングをするという授業でした。

授業の終了間際になり、
進行のお手伝いをしてくださる方から
「講評をお願いします」といわれました。

これは、
いままでも授業の最後におこなってきました。

はじめに私から、お話をしました。
「上手にできましたね。
特に薔薇は上手に彫れるようになって
よかったです」
なんて、いつもと同じ様なことを、、

そのあと、籠島先生は、生徒に対して、
はなむけの言葉をお話していました。

よく考えれば
その日が受け持った生徒たちとの最後の授業、
これから卒業して
就職が控えている生徒たちです。

何も考えずに先に行動する癖がある私は、
数回とはいえ、かかわった生徒たちに、
これから社会人になる若者たちに
なんの言葉もかけることができなかったのです。

せっかく習ったカービングなのに、
それをどう活かすか、
どんなにすばらしい技術を
学べる機会だったのか、
何に役立つのかという

本質をお伝えすることも
できなかったのです。

愕然としました。

言ってしまった事、終わったことは
やり直しできません。

さらに深い気づきと自分を彫る(掘る)大切さ

授業が終わって帰り道、
なんてことをしてしまったのかと
後悔したのですが、

電車に乗るころには、
「今度は頑張ろう」
という気持ちになったのです。

この話をすると、
「前向き」とか、「ポジティブ」とか
言われることがあります。
確かにその面もあるかもしれません。

でもよく考えると、これは
【自分が出来なかったことに蓋をしている】
だけなんですね。

そんな、すぐにでもわかりそうなことに
気が付いたのはもっと後になってから。

社会に出て起きる事は、
その場で判断しないといけない事が
たくさんあります。

その時にどういう状況に自分はいるのか
自分がおかれている立ち位置を
理解できていれば、
生徒たちにかける言葉も
変わったかもしれません。

準備をしておけばよかったのかなとも思いました。

でもそこではないんです。
もっと考えるべきことがあります。

社会に出ると突然のフリがあります。
常に自分の生き方、大事にしているものを
立てておかないと
瞬時に打ち返せない。

私にたりないのはここでした。


スキルを学んだその先を伝えたい

単に「私は講師なんだ」
カービングのスキルを教えればいい、
という
浅い認識だったから

カービングをならって
その先にある未来を
いつも自分が見ていないから

とっさの時に深い話が
出来ないんだ、と
伝えられないんだ、と
わかりました。

教室歴が長いだけで、
カービング歴が長いだけで、
なにも本質に向き合っていなかったんです。

幸なことに、
来期もおなじように
継続してくださいとのオファーがあり、
また1年続けさせていただく事になりました。

いくつになっても成長できる

人生って、
取返しのつかない事ってたくさんあります。

失言や失敗、これでお仕事がなくなる事、
人とのご縁が切れることもあるんです。

人に向き合い、
生徒たちに本当に頑張ってほしい、
カービングをいかしてほしいという
本質を常に意識して関わっていないから
表れたことでした。

こうやって講座というお仕事をくださる事にも
感謝しなくてはいけないし、
ご縁に感謝しなくてはいけないんです。

私が「前向き」といわれることが多いのは、
単に自分の失敗を見たくないという
自分の行動に蓋をして、
忘れようとしていることが
多いのかもしれません。

カービングを通して、
教室を通して、
人とのかかわりを通して、
人生が良いものになっています。

一つの事を続けてきたからこそ
ようやくここにたどり着きました。

年齢はだいぶ経っていますが
人生100年時代です。
もっと良くしていきたいです。

年長者として
若い人達に
ほんとうによい人生を歩んでもらいたい、
そんな気持ちで専門学校の講座を進めようと
決めた出来事でした。

是非、あなたも
自分を、
本質を、
みて、
考えてください。

漫然と生活していると見落とすことってあると思います。

もし、

なにか自分の気持ちが動いた時があれば、
その時は自分のことを見直す、わかりやすいチャンスです。
人生がより ”よく” なると思います。

お礼

ここまで読んでくださってありがとうございます。
またどこかでご縁がつながったら嬉しいです。LINEでも日々の気づきやカービングのこと、お届けしています。

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